6月末カナダのケベック州、モントリオール。到着の日は大雨だったけど、あとはおおむねいい陽気。・・・2年に一度の国際学会。私は三度目の参加なので、なんだかなつかしい顔がちらほら。世界の研究動向を大いに語ろう、と意気込んでいたのだが。・・・
日本の論争紹介と、昨年のアラスカ調査の報告と、ひとりで2本の報告をと欲張って、準備は万全のはず。が、9月にラオスで報告する長野調査論文の完成が遅れ、アラスカ調査を日本語論文で雑誌に出すという約束が果たせぬまま書きかけの原稿かかえて飛行機へ。
飛行機の中、ホテルの部屋で、ほとんど原稿と報告準備。とはいえ、自分のセッションではそれなりに議論。中川村の話に、「アメリカの農村も同じ問題があるの。固定収入がないと農業は続かない」とアメリカの農村研究者。ホテルの朝食時、ドイツの人から「ベーシック・インカムが議論にならないのなら、日本の政治家は何を議論してるの?」と聞かれ、「海外派兵のための解釈改憲だよ。」と答えれば、「わお、20年前のドイツと同じだね。不思議だね。」と感心されたり。
私たちも調査に行ったインドの村での大規模実験のセッションでは、最終報告書の内容報告。薬の実験と同じ方法で、貧困・人権侵害病に対するベーシック・インカムの薬効が確認された。あとは、実験に協力してくれた村人とともに、この薬を使わせる運動をやるのみ、とインドからの力強い報告と大きな拍手。
日本以上に労働市場での企業側の規律崩壊が激しい韓国から、若い運動家たちも含めてかなりの参加者。2年後は、韓国で開催が決定。・・・今回を反省を生かして、かろうじてハングルが読める程度のことば力にも磨きをかけて、と今から楽しみ。だれでも参加可能なので、みなさんもぜひどうぞ!